2004年6月8日(火)午後、金星の太陽面通過(日面通過)が日本で見られ、その一部撮影に成功しました。地球−金星−太陽が一直線に並び、地球から見ると太陽面を金星が移動していく様子が長時間にわたり見えました(そのはずでした)。
 この2日前に関東地方は梅雨入り。肝心の当日も朝から雲が多く、実際に観測可能だった地域は僅かな場所に限られていたようです。この現象は世界でも1882年以来122年ぶり、日本では1874年以来130年ぶりの現象でした。次回2012年6月6日(8年後)にも条件の良い金星の日面通過が見られる予定ですが、その次となると2117年12月10日(113年後)まで起こりません。次回2012年が必ず晴れるという保障は無く、まさに一生に一度のチャンスであったかもしれません。


14時37分53秒(ISO 80相当,露出1/793sec.)

【撮影データ】(共通)

使用光学系:
タカハシ製作所製FC‐50(5p f=400mm)屈折望遠鏡+減光フィルタ(ケンコーND400+ND8+ND4)
Vixen製LV25mmアイピース
Nikon Coolpix950(デジタルカメラ)によるコリメート撮影
雲の濃さによって、フィルタの組み合わせ及びシャッター速度を手動調整

架台:
MIZAR製AR-1赤道儀の三脚架台部を取り外し、カメラ三脚に載せて使用
  (下画像参照)

撮影地:
東京都・上野恩賜公園内


15時15分24秒(ISO 80相当,露出1/500sec.)

撮影機材の全体の様子。

15時30分37秒(ISO 80相当,露出1/500sec.)