3階 観測室の床張り

 7月7日にEM-400用のピラーが到着し、その日のうちにドーム内に搬入した。ドームスリットの見切りの高さと赤道儀の不動点の高さに合わせ、ピラーを載せる土台(コンクリート製)の位置と高さも決まり、いよいよ観測室の床張り作業に着手することになった。
2007年7月22日 床張り作業に着手
 普通の家屋を建てる時の作業と違い、すでに壁面が出来上がっている状態からの床張り作業は、長い角材の取り回しだけでも一苦労である。
 土台となる部分や床束,大引,根太などを施工していくわけだが、何しろ自分は素人。床の振動が望遠鏡に伝わらないような構造を考えつつ、まずは土台と大引,床束の加工。大引は二重の構造にし、望遠鏡の土台の近くに床束を立てない構造にした。上部の大引を下部の大引で支える形である。
 ほぞの加工では、「のみ」の切れ味の悪さに苦労。刃を研ぎ直した。作業効率の悪さから、以後、電動ドリルと丸ノコを併用して作業を進めることにした。

【土台となる下の大引と床束】

【大引と床束を組み合わせたところ(逆さの状態)】
 
2007年7月29日 大引の配置完了
 二重構造の大引は、右写真のように欠き込みを作って組み合わせた。「のみ」だけでの作業では時間が掛かるため、電動丸ノコの切削の深さを調節しておいて櫛の目のように切り込みを多数入れ、最後に残りの部分を削り取る方法を取った。
 根太が直接渡される上部の大引は、下の写真のように土台と高さを合わせて組み込んだ。
 昇降口に渡してあるのは根太用の角材で、誤って階下に転落するのを防止するための措置。観測室への昇降口周辺は床下の強度を確保するためにやや複雑な大引の配置となっている。
 大引の配置が終了。ピラーの土台部分との位置関係は下の写真の通り。
 
2007年7月29日 根太の施工
 根太を渡す作業を行なった。床面の強度を出すために、通常よりもやや間隔を狭めて施工した。
 ピラー周辺は、脚部の位置の都合上、根太の渡し方が難しい。根太とピラーが接触することの無いよう、写真のような構造にした。この部分だけは、根太を直接下から支える束柱を配置した。
 
2007年8月5日 昇降口のハッチの骨組み
 観測室への出入口の扉は、入室後、そのまま床面になる。ある程度の重量に耐えるだけの強度も必要となる。松の集成材を用いて造作。この骨組みにコンパネ合板を張る。
 
2007年8月5日 床の下地のコンパネの施工
 コンパネを加工して根太の上に敷き詰めていく。ピラー周辺は右写真のように加工し、後の床下メンテナンスなどの際に取り外せるようにしてある。
 
2007年8月11日 タイルカーペットの施工
 コンパネの上にタイルカーペットを敷き詰めていく。ピラー周辺は、写真のように加工し、つなぎ目が目立たないようにした。仕上がり模様の美しさを出すために、カーペットの目の方向を市松状に配置。ピラーの部分のタイルカーペットの位置決めを先に行ない、その後、周辺に敷き詰めていく手順を取ることで、床面の模様の対称性を出した。
 2枚のハッチにも同様にタイルカーペットを施工。床面との模様の連続性を配慮して強力両面テープで貼り付けた。機材の搬入時等に大きな開口部を確保できるようにハッチを2枚設けたが、通常は片方は閉じたままで使用している。常に開閉するハッチ側には、回転取っ手を取り付けて、床面の出っ張りを解消している。
 右は昇降口から観測室の床の断面を見たところ。二重の大引と根太,コンパネ,タイルカーペットの重なりが見えている。