ドーム内の機材の紹介

 ドーム内に設置している機材の概要を紹介する。
EM-400 赤道儀(Temma2)
 2005年の発売年に購入したドイツ式大型赤道儀。6号機である。極軸体と架頭が分離でき、可搬性を高めている。ただし普段はドーム内に据え付けての使用なのでその恩恵はあまり感じていない。
 駆動周波数が240PPSと高ステップなため、高倍率での惑星観測でも違和感は全く無い。パソコンによる自動導入や電動による微動を前提としているため、赤径・赤緯の目盛環や微動ハンドルは無い。よって、肉眼で確認できない天体を捉えるには、どうしてもパソコンの助けが必要であり、また停電時には使い物にならないことになる。ただし停電で使えずに困った経験はまだ無い。DC12Vまたは24Vの電源で動作するので、車載用バッテリーでも駆動可能である。普段はDC24VのACアダプターで電源供給している。
 自動導入にはAstroArtsのステラナビゲータを利用している。またオートガイダーにはタカハシ純正のα-SGR(ルクバト)を使っている。この組み合わせは、彗星などの移動天体を撮影する場合に、メトカーフガイドの設定が簡単にできる点が特筆に当たる。
 同架重量は35kgとなっているが、筆者はやや無理をさせている感がある。動きは非常にスムーズで、操作もしやすい。
 極軸望遠鏡は時角早見目盛式となっているため、日時を合わせるだけで北極星の位置を素早く割り出せる。明視野照明付きなので、導入・確認も容易である。北極星の歳差補正目盛は2040年まで対応している。
 
同架鏡筒
 同架機材の概要は右写真のようになっている。
 写真の右側の白色鏡筒は、TOA-150(口径15cm,焦点距離1,100mm,F7.3)アポクロマート屈折鏡筒。星像が非常に鋭く、特に月面や惑星の高倍率による眼視観察では、この鏡筒の底力を感じさせてくれる。
 写真の左側の黄色の鏡筒は、ε-160(口径16p,焦点距離530mm,F3.3)反射式アストロカメラ。速写性に優れている。1992年に購入したものだが、2009年に発売されたデジタル対応の補正レンズに換装済みなので、写野に輝星が入ってもゴーストが現れにくくなった。
 ガイド鏡はFC-50(口径5cm,焦点距離400mm,F8)フローライトアポクロマート屈折
鏡筒。星像の鋭さは発売当初から定評があり、必要に応じて撮影にも使用することがある。
カメラ
 主に使っているのは、デジタル一眼レフカメラと、冷却CCDカメラである。
 2013年現在、以下のようなカメラを使っている。
・Nikon D90(2台)
・Nikon D70(Hα透過性ローパスフィルター改造に自家改造)
・BITRAN BJ-41L(冷却CCDカメラ)

ε-160(デジタル対応)と一眼レフカメラ

TOA-150に取り付けたBITRAN BJ-41L