1987年5月1日。内陸部での撮影スケジュールを終了した我々は、シドニーへの帰路に就いた。Coonabarabranを後にし、Gilgandra,Dubbo,Wellingtonを経由し、Bathurstに入った。 | ||
5月1日夕刻。Bathurstに到着。宿を確保し、夕食を済ませた我々は、この夜の観測場所を探すべく、レンタカーで郊外へと向かった。辺りはもうとっくに暗くなっていた。 Bathurstは、想像していたよりも大きな街で、行けども行けども、なかなか街明かりから逃れることは出来なかった。 そして、ウロウロしているうちに、何やら不思議な風景の中に迷い込んでしまった。ヘッドライトの向こうに浮かび上がる看板の文字は、“ADVAN”や“Shell”,“POTENZA”,“Mobil”,etc.……。行く手はバンクの効いた大きなカーブ……。そして“BRIDGESTONE”のアーチ! |
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そう、我々はなんと、“サーキット”の中を走行していたのである!Bathurstと言えば、以前はF1レースが開催されたこともあると聞く。カーレースの街なのであった。 何だか不法侵入をしてしまったような罪悪感に駆られ、必死に出口を探した。この間、コースを2周ほどしてしまった。アップ・ダウンもある、走り甲斐のあるコース。ようやく出口を見つけ、外へ出た。今となっては、もっと楽しんでおくんだった……!?それにしても、いつの間にサーキットに?記憶に無い、夢のような話。 さて翌朝、Katoombaに向けて宿を出た我々が発見したのは、とあるアパートの前の駐車場にある派手なクルマ。なんとレーシングカー。ちょうどオーナーが整備中。クルマを降りて話し掛けてみた。オーナーも気さくな方で、昨夜の出来事について話してみると、「このクルマであのコースを走るのさ。」と来た。オマケに、「乗ってみるか?」。走らせこそはしなかったが、コックピットに乗った感じが何とも言えなかった。 |