旧式ミドルタワーケース
 Pentium4対応への道

【旧式ミドルタワーケースの履歴】
 1998年8月、パソコンの自作に初挑戦して以来、CPUのクロックアップやハードディスクの入れ替え,マザーボードの交換など、それなりにマシンのパワーアップを行なってきた。今回改造を施したミドルタワーケースは、筆者の自作1号機製作時に購入したものである。このケースは、5インチベイを3個擁し、電源250Wで、当時としては充分なスペックであった。使用したマザーボード,CPUの履歴は下表の通りである。

《ミドルタワーマシン1号機の履歴》
採用時期 マザーボード CPU
1998年8月〜 ASUS P2B SEPP版 Celeron300MHz(450MHz駆動)
1999年1月〜 同上 SEPP版 Celeron266MHz(448MHz駆動)
2001年3月〜 A Open AX3S Pro PentiumV 933MHz

【晴天の霹靂!】
 時は流れ、しばらくは上表のPentiumVマシンの状態で我慢をしていたのだが、2003年夏の“火星大接近”を迎え、天体観測の画像処理をするうえで限界を痛感。2003年11月、Pentium4マシンの導入を決意。ところが、Pentium4の導入はそのままマザーボード,電源,メモリーの入れ替えを意味し、結果としてケースも新調することに(詳細はこちら)。かくしてNEWマシンを組み立てたのは良かったが、その年の暮れに不具合発生。マザーボードの初期不良と判明し、購入店経由でメーカー保障の返品が決定したが、代替品が届くまでの約1ヶ月間、仕事が全くできなくなる。そこで意を決して、1ランク上のマザーボードを再購入。返品から帰ってきたマザーボードは、泣く泣く中古品処分に回すことにした。そう。一旦は……。
 ところが1ヶ月後、いざ問題のマザーボードが帰ってきてみると、ろくに使ってもいないのに中古品として転売することが惜しくなった。そして病気がまた出たのだ。「古いケースの電源をPentium4対応のものに換えて使っちゃえ!」当然CPUとメモリーは新調することになるが、性能と価格から Celeron 2.40 GHzをチョイスし、手を打つことに。2004年3月、たまたま東京に出かける用事ができたのをいいことに秋葉原に足を運び、電源,CPU,メモリーの各パーツを揃え、意気揚々と帰ってきたのだった。 それから約1週間、安心しきって先延ばしにしていた組み立てに着手。電源を取り換え、マザーボードを組み込み、CPU,メモリーを挿し、ケースへ……。手が止まった。なんと、ケース内の5インチベイのマウンターボックスがマザーボードの電源コネクターやメモリーと干渉して組み込み不可能ではないかっ!!ハードディスクの組み込みに使っていた Mobile Rack も同様に挿入不能。途方に暮れた末、作業中断。「どうしよう。このままじゃケースも新調?それじゃマシンを無駄にもう1台作るようなものだ……。」狭い我が家にそれは許されなかった。

【作業の実際】

作業その1・・・・・・5インチベイのマウンターボックス切断

3段ある5インチベイのマウンターボックスの最下部の角が、マザーボードの電源コネクター部と干渉してしまうため、下の画像のように金ノコで切断。負傷防止のため、切り口のバリは金工用ヤスリで処理。このマウンターボックスの直下はフロッピィディスクドライブ。

《内側から見た電源コネクター部》

《ケース正面から5インチベイを覗いた様子》

作業その2・・・・・・Mobile Rack の冷却ファンスペース切断

ハードディスクの入れ替えを頻繁に行なう筆者が愛用しているのが“Mobile Rack”という商品名の、カセット式ハードディスクケース。この外枠に付属の冷却ファンが収まっていたスペースが、なんとメモリーと干渉。そこで下の画像のように切断。実はこの冷却ファン。かなり以前に動作しなくなってしまった。しかし熱による不具合も無かったため、何の心配も無くこの作業に入ることができた。
《冷却ファンのスペースを切断》
《冷却ファンのスペース切断終了》
   
《Mobile Rack 背面》
IDEケーブルコネクター,電源コネクターが見える。
《Mobile Rack 正面》
手前からハードディスク入りのカセットを挿入する。

   
《マザーボード上のメモリーと Mobile Rack との位置関係》
ハードディスクの入ったカセットを挿入してみると、メモリーとの位置関係がかなりギリギリであることが分かる。

作業その3・・・・・・電源部の交換

 これは苦労無し。単に交換するだけ。今後のことを考えて400Wのものをチョイス。もちろん、格安のもの。

【完  成】
 かくして、CD-ROMドライブやMobile Rack,フロッピィディスクドライブなどの旧資産も無事ケースに納めることに成功。かつての自作1号機のミドルタワーケースは、再び活躍の機会を与えられることになった。2004年4月現在、デスクトップサブマシンおよびデータバックアップ機としてその役割を果たしている。

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