アリス・スプリングスから
エアーズ・ロックへ 

 1992年12月28日、国内線旅客機を利用して、西オーストラリア州のパース(Perth)からノーザンテリトリーのアリス・スプリングス(Alice Springs)へと飛んだ。そして、ここ、アリス・スプリングスから、エアーズ・ロックのあるウルル・ナショナル・パーク(Uluru National Park)まで、行程約470Km,4時間半に及ぶ、砂漠のドライブが始まった。
     
パース(Perth) から アリス・スプリングス(Alice Springs) へ
 パース(Perth)から国内線で約2時間。
 写真左は、我々をアリス・スプリングス(Alice Springs)まで運んでくれた、アンセット・オーストラリア(Ansett Australia)航空のBritish Aerospace BAe 146-200機。片側2シートの小型機で、国内線はこのクラスの旅客機が主流。主翼が窓より上に配置されていることも手伝って、どこに座っても窓から景色を楽しめるのがいい。ジャンボジェット機では味わえない快感。
 飛行中、マウント・オルガ(Mt.Olga)やエアーズ・ロック(Ayers Rock)付近を通過した際、上空を旋回して、空から見た両者の景観を楽しませてくれた。さすがにシートベルトを締めたままの観光ではあるが、機内の乗客はみな大喜びだった。
 アリス・スプリングス空港の表示看板。奥に見える布製の屋根は、滑走路から空港ロビーへと向かう通路のもの。空港の建物は平屋で、決して大きな規模ではない。ちょっとしたゴルフ場のクラブハウス程度だ。滑走路もわずかに1本。周囲には目を引く建物も無く、まさしく砂漠の中の空港といったイメージ。
 到着が午後の早い時刻だったため、日差しが頭上から照り付け、かなり暑かった。アリス・スプリングスは、ほぼ南回帰線上にある。看板の影の短さからも太陽高度の高さを想像できる。
 
エアーズ・ロック へ
 アリス・スプリングス空港で、Hartz(ハーツ)レンタカーを借り、1時間ほどアリス・スプリングスの街中をうろついた。クルマは、Lexcen(トヨタ)3800cc。なんとパースで借りたComodoar(ホールデン)と同じモデルであった。一路エアーズ・ロックへ……。スチュアート・ハイウェイ(Stuart HWY)をひた走る。

 空はどこまでも青く、雲一つ無い。赤茶けた大地の中を、アスファルトの道がどこまでも続く。制限時速は、市街地以外は100km/h。道路の両側には何も建造物が無く、対向車もめったに来ない。日本国内では、おそらく味わうことの出来ないドライブ旅行。
 クルマの中はエアコンが効いていて快適だが、外は猛暑。吹く風も乾燥していて、ナマ暖かい。飲料水は必需品。砂漠の真ん中でクルマが動かなくなってしまったら、それこそ命取り。アウトバックでは、牛が放牧されているのだが、路肩で休憩中に、「牛の全身骨格」を発見。一瞬ドキッとした。牛も時々迷子になるらしい。筆者は2リットルのペットボトル2本を携行した。これは、オーバーヒートしてしまった時にも役立つ。ジュースよりも水がよい。また、日差しが強く、太陽がまぶしい。青空ですらまぶしい。アウトバックの運転には、是非サングラスを用意したい。できれば偏光グラスのもの。
 路肩には、バーストしたタイヤが時々転がっている。砂漠の猛暑の中での長距離運転は、タイヤにとっても厳しい環境らしい。100km/hで1時間も走行すると、路面の熱さも手伝って、タイヤがかなり熱を持つ。1時間ごとに休憩をとり、体とクルマを休ませるのが鉄則。また、ガソリンスタンドもめったに無いので、燃料計が半分になったら、給油を心がけたい。エアーズ・ロックのあるウルル(Uluru)までの間で、給油できるのは3箇所(Erldunda , Mt.Ebenezer , Curtin Springs)ほどしか無い。
 かつて砂漠地帯の開発のためにアフガニスタンから輸入されたラクダが野生化し、時々一般道に出没するらしい。オーストラリアでは、カンガルーやコアラに対する注意を呼びかける道路標識はよく見かけるが、ラクダの標識は初めて見た。なお、ラクダの牧場が途中のガソリンスタンドに併設されていたのを見つけた。しばしの休憩。
 キングス・キャニオン(Kings Canyon)へと向かう道との分岐点。道路標識は非常に目立ち、わかりやすい。ただし、文字が所々はげていることが多い。
 2日後に、一旦このポイントまで戻り、キングス・キャニオンを目指すことになる。ウルルまでは完全舗装道路だが、キングス・キャニオンへの道は未舗装。4WDが欲しかった。
 ウルルヘ向かう途中の最後の給油地 Curtin Springs 付近にさしかかると、左手に巨大なテーブル山が出現。マウント・コナー(Mt.Conner)。赤茶けた大地の中に、忽然と姿を現した。初めは、「やっとエアーズ・ロックが見えたっ!!」と思ったのだが、実は大きな勘違い。標高863m。頂上が真っ平らな、何とも美しい山だ。路肩にクルマを止め、道路脇の高台から望む。
   
エアーズ・ロック 到着
 アリス・スプリングスを出発してから4時間半。ようやくウルル・ナショナル・パークに到着。公園入り口には料金所があり、観光客はここでチケットを購入する必要がある。14日間有効でA$5.00。
 まずは、ホテルにチェックイン。ユララ・ツーリスト・リゾート(Yulara Tourist Resort)を目指す。ここで3泊4日。壮大なウルルの大自然の姿に触れることになる……。

           『エアーズ・ロック(Ayers Rock)』のページ

           『マウント・オルガ(Mt.Olga)』のページ

           『キングス・キャニオン(Kings Canyon)』のページ

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